凶の女

毎年、おみくじを引くことを楽しみにしています。

教訓もさることながら、
やっぱり「大吉」などが引けると嬉しいものですよね。

 

今年は…
「凶」でした。

おみくじ

もしかしたら、人生初めての「凶」かもしれません。

自分が予想していた以上にショックが大きく、
「去年だって案外大変だったのに、いったいどんな年になってしまうのか」
「もっと悪いことがたくさん起こるのか…」
…おみくじを引く前と後では、
景色の色が違って見えるくらいの落胆ぶりでした。  

会話の中でも、
「どうせ私は凶の女だから」と、
「凶」の雰囲気、「凶」のドラマに浸っていました。

 

ふと、こんなに落ち込んでいていいのか、
対策はあるのかと調べてみると、
「おみくじの凶は、これから上向きになっていくことを意味します」とあり、
「そうか!今が底なら、これ以上悪くなることもないんだ」
と、たちまちパーっと明るい気持ちが広がりました。

 

違う視点で見てみる

凶を引いたことで、未来に対して
「もっと悪くなる」
という視点からみた景色、

「底から運気が上がっていく」
という視点からみた景色、
驚くほど、違って見えました。

同じ出来事であっても、
自分自身がどのような視点から物事を見て、
どのような意味を選択するかによって、
全く別の出来事に出会います。

 

自分の視点を知る

自分が「どのような視点からみているか」ということに気づくことも、実はと
ても大切です。
多くの方に「よくハマるパターン」があり、
「偏りやすい方向」等もあります。

ポジティブが良いとか、ネガティブが悪いということではなく、
パターンや偏りに気づくことで初めて
「ニュートラルな視点」を選択することができます。

 

ラベリングに注意

私自身の例のように、
(例:凶の女)
「私は〇〇」という定義に飲み込まれてしまうと、
冷静な判断を失ったり、
些細なことで一喜一憂したり、
自分で自分を「殻」に閉じ込めてしまうことになります。

 

例えば、
「凶→不幸なことが起こる」という視点で見ると、
良いことや嬉しいことがあったとしても、
「これはなにか大きな不幸の前兆ではないか」
と、勘繰ってしまうなど。

どのような出来事でも「凶」で彩ってしまい、
事実とはかけ離れた「不幸なストーリー」を作り上げてしまうことも多くあります。

 

言葉を変える

ラベリングから離れるための様々な方法の中で、
「言葉の使い方を変える」があります。

 

「凶の女」という言い方は、
出来事と自分の距離があまり近過ぎて、
容易に飲み込まれてしまいます。
(飲み込まれていました)

これを、
「凶を引いて落ち込んだ女」
などど言葉の使い方を変えるだけで、
随分と印象が変わったと感じました。

 

例えば、
「自分はダメだ」と自分を責めて落ち込むことが多い場合に、
「自分はダメだと思った」
等と言葉を変えるだけでも、
ラベリングに振り回されることが減ったりすることも多いのです。

 

光明

 

一喜一憂することはもちろん悪いことではありませんが、
ハマり過ぎてしまうことで、
時間や労力を使い果たしてしまったり、
本当に起こっている出来事を見誤ってしまうこともあるので、
「これはまずい」
と気づいた時には、
視点を変えたり、
出来事や言葉と適切な距離をとることも良い方法だと思います。

 

ちなみに私は今回のブログを書くまで、
「凶」のことは忘れていました。

どんな1年になるのか分かりませんが、
毎日、できるだけニュートラルに人や出来事に出会っていきたいと思います。

 

投稿者プロフィール

藤原 加都江 心理カウンセラー(精神保健福祉士)
豊橋カウンセリングルームの他、近隣地域でのカフェカウンセリングや訪問カウンセリングをご提供しています。またスカイプ等のオンラインカウンセリングにも対応いたします。臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー。(H30年に公認心理師試験合格)

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