「手放す」ための3つのこと

「~を手放しましょう」
よく聞く言葉ですが…どうすれば良いのでしょうか。

 

例えば「執着を手放したい」と思う時、
「きっと手放せたら楽になれるんだろうな…」と、想像することはできます。

でも、「執着を手放さなければ、幸せになれない」と、
「手放すこと」に頑張ってしまうと、
「手放すこと」に対して力が入ってしまい、
逆に解決方法とされること自体に執着してしまうことがあります。

「執着を手放すことに執着してしまう」…
問題とされていることに対して対策をするほど、
さらに問題が増えてしまうという悪循環に巻き込まれかねません。
また「問題を解決する」ということに、はまってしまう(夢中になってしまう)こともあるのでしょう。

 

①問題から少し離れてみる

「~を手放さなければ!」とか、「この問題をなんとかしなくては!」と、
焦りが出てきてしまった場合には…
遠回りに見えたり、現実逃避に思えてしまうかもしれませんが、
「少しその問題から離れて見る」ということが大切です。

 

「問題」を解決しようとして躍起になっている時は、
まるで「問題」を顕微鏡で見ているような感じだと想像してみてください。
細部はよく見える(見えてしまう)のですが、周囲の状況が把握できません。

部分

 

少し離れて「対象(問題)」を見てみると…
まったく違う景色や想いが見えてくることだと思います。

綺麗な湖

 

②自分自身を満たす

自分自身の「こころ」が波立っている時、ニュートラルに対象や問題を見ることは難しい場合が多いと思います。

焦ってる、心が乱れている、感情的になっている、ストレスで疲弊している…
そのように感じる時には、まずご自身を癒すこと、満たしてあげることが大切です。

自分自身が安定してくると、
「問題を解決しなきゃ」とか「手放さなきゃ」と思って、ぎゅっと握っていた手の力が緩み、
自然に必要なものが手に入ったり、
既に「在る」ことに気づいたりすることもあります。

 

③諦めること

「諦める」という言葉は、「明らかにする」ということが本来の意味だと聞いたことがあります。

「諦める」ということは、
決して情けないことではなく、負けることでもなく、
現状や事実をきちんと見て、在りのままに受け止めること、
自分で何とかしようとしない(コントロールしない)こと…そんな風に感じます。

ふっと力を抜いた時に…
初めて気づくこと、
「どっちでもいいか」と間口を広げられること、
思いがけないギフトを受け取ること等が多いと実感しています。

 

 

私自身、「~を手放さなければ、幸せになれない」などと、長らく頑張ってきました。
頑張れば頑張るほど、そのことに囚われてしまい、辟易する上に、まったく抜け出せない…そんなジレンマを抱えていました。

自分自身が満たされてくるうちに、
ふと「手放さなきゃいけないと思うことがなくなったなぁ」と気づき、まとめてみました。

「手放さなきゃいけない」という思いが消えていること…
それ自体が「手放す」ということだと言えるのかもしれませんね。

 

「手放す」ということに疲れている方、
手放すことがなかなかできないご自身を責めてしまう方々に…
少しでもご参考になれば嬉しいです。

 

投稿者プロフィール

藤原 加都江 心理カウンセラー(精神保健福祉士)
豊橋カウンセリングルームの他、近隣地域でのカフェカウンセリングや訪問カウンセリングをご提供しています。またスカイプ等のオンラインカウンセリングにも対応いたします。臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー。(H30年に公認心理師試験合格)

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